■指示理解
●指示理解とは、指示されたことを理解する能力のことです。
この指示理解が、どうも社長としての経験を積んでいくと低下していくように
思います。
社長さん向けセミナーなどで、例えば最後に「何か質問がありますか?」と聞
いても、質問ではなく関係ないことを延々とまくし立てる社長がいます。
結婚披露宴で、司会者から「ご来賓の○○社長にご挨拶を頂戴したいと思いま
す」と言われているのに、長々と自社の経営方針について語ってしまう社長も
います。
どれもこれも、社長としての経験を積めば積むほど起こりがちな現象のようで、
まったく指示理解ができていない状態です。
このような社長は、簡単に言えば、「わがまま」になってしまったわけです。
周囲の誰も、社長に意見を言わない。文句も言わない。
そんな環境にずっといると、いつもの間にか指示理解ができなくなってしまう
わけです。
コミュニケーションというのは、よくスキルだと言われます。
スキル=技術=テクニック。
テクニックとしてコミュニケーションの仕方を身につけようというわけです。
聴くときは、よくうなずいたり、相槌を打ったり、時々開かれた質問をしてみ
たり。話す時は、まず全体を伝え、なるべく具体的にできれば数字を多用して
・・・。
しかし、僕は、以前からこのコミュニケーションをスキルとして身につけると
言うことに違和感を持っていました。
このようなテクニックを身につけたとしても、コミュニケーションがきちんと
できるとは到底思えないからです。
コミュニケーションの根底にあるのは、相手に対する敬意であり信頼です。
その気持ちを持たずしてテクニックだけを身につけてもきちんとコミュニケー
ションできるはずがありません。
また、信頼したり敬意を表したり許しを与えるということは自尊感情が高まっ
ていなければなかなかできないことです。
テクニックだけでは、本当に分かり合えることはできないと僕は思っています。
指示理解ができない社長さんたち。
コミュニケーションスキルを身につけても良好な人間関係を作ることは難しい
でしょう。なぜならコミュニケーションはスキルではなく、マインド(心構え)
なのですから・・・。
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