■社長の素質 その4

●社長に必要な素質について,前号までで,知識と経験,センスに
ついて考えてみた。

・知識
・経験
・センス
・頭の質

●今回は,最後の頭の質についてである。
頭の質と言っても,お勉強がよくできるという話ではない。
テストの点数が高いとかIQが高いということが社長の求められる
ことではない。
逆に,学校の勉強はどっちかというと苦手であったという方々に
人を上手く活用される優秀な経営者が多いように感じる。

●頭の質は,私は,「頭の回転速度と回転数」という表現に置き換
えられるように思う。

●回転速度は速ければ速いほど良い。テキパキと指示命令ができる
し,いち早く先を読むことができる。
しかし,速くても,考えが浅かったり未熟では,失敗してしまう。
拙速では,いけないのだ。

●そこで,回転数が出てくる。速くて何回転もする頭であれば,申
し分ないだろう。しかし,速度は遅くても,何回転も考えを巡らす
ことができれば,「熟考」できる社長として,間違いは起こさない
だろう。

●このように速度と回転数を考えた時,経営者として必要なことは
まずは,回転数のように思える。速度の差はあれ,何度も考えて
いろいろな案を考えることができる人が経営者に向いていると思う。
速度は,速いほうが越したことはないが,遅くても回転数でカバー
ができる。

●一番,やっかいなのは,速いけれども1回転もしない人だ。
先のことを考えずに思いつきでなんでもやってしまう。
思いつきだから,戦略がなくその場の状況に流されて,自分を見失
ってしまう。

●理想は,頭の回転速度と回転数をその状況に応じて,変化させら
れる人だ。一刻も早く指示をしないといけない場合もある。じっく
り腰を据えて考えなければいけない場合もある。
その時々に応じてCPUを変化させる。
そんな柔軟さも,社長には求められるのである。
強い社長への道のりは遠く厳しいのである。




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