■社長の素質 その3

●社長に必要な素質は以下であると考える。
前号までで,知識と経験について考えてみた。

・知識
・経験
・センス
・頭の質

●3番目のセンスであるが,これが一番重要である,と思っている。
商売人としてのセンスがあるかどうか,一番押さえておかなければ
いけないポイントであるにも関わらず,あまりに漠然としているた
め,触れられてこなかった点でもある。

●スポーツに例えてみればよくわかるが,野球の松井がサッカーを
してたら,今のような一流の選手になっていただろうか。
また,柔道の柔ちゃんこと田村選手が,水泳をやっていたら,どう
であったろうか。

●人並み外れた運動神経の持ち主だから,もしかしたら,一流にな
っていたかもしれない。しかし,二人の今の超人的な活躍を見ると,
果たして,どうだろうか,と思ってしまう。

●センスとは,同じ100の努力をした場合,150の結果を残す
人と,よくて100ヘタすれば70くらいの結果した残せない,
その差を生むものだ。
努力をして,結果を残せるのか,人並み以下しかできないのか,
この差は,商売・ビジネスでは決定的な違いとなって現れる。
だから,己に商売のセンスがあるのかどうかについて,冷静に
かつできるだけ客観的に判断しなければいけない。
センスがない人間がいくら努力してもセンスある人間には勝てない
のである。

●みなさんも一つくらいは,センスがあることがあると思う。
そんな自分としては気合を入れて努力しなくても,結構な結果が
出て,周囲から賞賛される,そんな「特技」が一つくらいはある
のではないだろうか。
本来,商売はそんな己の「特技」を活かした「何か」を始めること
であり,それであれば間違いなく成功する。

●考えなければいけないのは,自分に商売のセンスがあるのか,と
いうことだ。
そして,次には,自分にセンスがあることと今の商売が一致している
か,ということだ。
いかかであろうか?

●自分にセンスがあるかどうか,見極めることはとても難しい。
もっと具体的な項目としてあげて欲しいという声もよく聞く。
しかし,野球や柔道やサッカーの「センス」を言葉として,もっと
言えば「スキルセット」として表現することは究極には不可能では
ないか,と思う。

●どうすれば自分にセンスがあるかないかがわかるのか?
それは,やはり自分で答えを出すしかないだろう。
自分の周囲と比較して,どうなのか。
そんな「内省能力」が経営者には,必要なのである。

●センスについては,もっといろいろな角度からじっくり検証してい
こうと思う。



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