■経営者に求められる能力

●経営者に求められる能力はたくさんあるが、突き詰めていくと以下の集約されるのでは、と
思う。

@財務管理能力
A感性
B現場対応力

@財務管理能力
これは、今まで何度も私が申し上げているが、財務に弱い社長は絶対に会社を潰す。しかし、
これは決算書が読めるとか、経営分析ができるとかではない。もちろんそのようなことは、前提
としてできることが必要だが、経営者としてはさらに「処方箋」を書く力が求められる。財務計数
を読み取ってどうすれば良いのか、その解決策が迅速にデッサンできなければいけない。ま
た、処方箋を書くだけでなく、それを行動する「実行力」も必要だ。
経営者の財務管理能力には、「読む力」「書く力」「行なう力」の3つが揃って必要である。

A感性
これは、相手の感情や周囲の風の流れを敏感に感じることができる能力ということだ。ビジネ
スは人間相手だ。だから、人間である相手が何を考えているのか、どう行動するかについて、
鋭い勘で予知する必要がある。経営者で勘が鈍い人はまず成功しない。
後ろにも目があるのではないか、そんな風に周りから見られなければ大成することはできな
い。
またこの感性には、ビジネス・商売に関する持って生まれたセンスという意味もある。スポーツ
でもなんでもそうであるが、センスある人にはどんなに凡人が努力してもかなわない。自分自
身に商売のセンスがあるかどうか、今一度見直しても良いかもしれない。

B現場対応力
事業は計画通りに進むことはまずありえない。だから、計画を作る能力ももちろん必要だが、
もっと必要なのは、予期しない事に遭遇した時に、ベターな解決を瞬時で実行できる、現場対
応力が経営者には必要だ。
これは、予期しないリスクが発生した時に、どれだけ迅速に対処できるか、という有事に強い
経営者という意味もある。
この対応は決して場当たり的になってはいけない。その時に考えられるあらゆる選択肢を創出
した上で、ベターな肢をチョイスすることが重要だ。
優秀な経営者は実は緻密な戦略家である前に、この現場対応力に優れていることが往々にし
て多い。

この3つは、突き詰めて集約される能力だ。
だから、このうち1つでも欠ければ経営者として体をなさない。
自分自身、そして周りの社長はどうであるか、チェックされてはどうだろうか?



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