■何故、創業するのか?

会社を興したいと思う人、社長になりたいと思う人、事業家になりたいと思う人は、なぜ、社長
になりたい・創業したい、と思うのであろうか?

・一発当てたい
・お金持ちになりたい
・人に使われるのはいやだ
・ビッグビジネスになるネタを持っている
・世の中の役に立ちたい
・社長と一度でいいから呼ばれてみたい
・自分の可能性を試したい
・歴史に名を残すことをやりたい

などなど、このほかにもたくさんの動機・理由があると思う。

最近、感じるのは、「何故、創業するのか?」と志を問いただすことは、あまり意味がないので
は、ということだ。
どんな動機でも、創業したい、と思うことが大切で、さらに大切なのは、創業後のことだからだ。
動機が仮に不純でも創業後がしっかりしていれば、何十年と会社は持つのではないか、と思い
始めている。

それまでは、私は志や想いが一番重要だ、と思っていた。
もちろんそれらが、一番重要なことには変わりはないが、それを重視すぎるあまりに、会社の
成長や向上と邪魔しているケースもあるのではないか、と思う。

私の現在の志は、経営者・起業家のみなさんのお役に立つということだ。しかし、どのレベルを
持ってそれが実現されたと判断するかは難しい。
私は、一家5人を養いただ暮らしていくだけであれば月に60万円で足りる。しかし、これでは、
蓄えもできないし旅行も行けない。子供の教育にも満足にお金が掛けられない。
でも私が、これでいいや、みなさんのお役に立ってもいるし、と思えば、これ以上絶対に収入は
増えない。これで満足はしていなくても、いいやと思ってしまっているから、さらにお役に立つた
めのアイデアやネタが頭の中に生まれなくなってしまうのだ。

でも、この状態は本人は志の部分では満足しているのだ。
ということは、志を持っていても、更に上を目指す意欲、ハングリー精神という別の動機をも持
ちつづけないと事業は発展しないということになるわけだ。

上昇意欲やハングリー精神だけになってしまうとそれはそれでまた
問題を起こす。手段を選ばなくなってしまったり、倫理観が欠けてしまう経営になってしまう。

志・想いとギラギラ脂ぎった野心・ハングリー精神、このバランスを保つことこそが、経営者に
一番必要なことではないのであろうか。
だから、創業の理由なんて、どうでもいいことなのだ。
経営者にとってこのバランス感覚さえ、あれば申し分ないのだ。



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