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誰にも聞けない「経営のツボ」 2001.3.16 創刊号
アルファルファ・コンサルティング発行  編集 遠畑 剛
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創刊にあたって
はじめまして、遠畑(とおはた)と申します。これから週刊でこの
マガジンを執筆していく者です。私は父が創業した会社を23歳の
時に継いで昨年の1月まで16年間経営者としてやってきました。
最終的には私の力不足で会社を破産させてしまったのですが、16
年間経営者としていろいろな方から学んできたこと、失敗したこと、
また運良く成功したこと、実戦で感じたこと、身につけたことを多
くの方に、特にこれから起業される若い方々に私と同じような間違いはしていただきたくないと
思いこのマガジンの発行を決意しまし
た。ここで書いていくことは私の経験を通じて私が感じたことです
から、考えや感じかたに偏りがあると思います。おそらく反対意見
も多いと思います。しかし、それをきっかけとして議論が深まりみ
なさんがいろいろお考えいただければ私としては本望です。また、
ここに書くことは他の経営コンサルタントの方々や評論家の方々の
ように高尚な文章や新しい理論などまったくありません。どちらかといえばその対極になると思
います。しかしこれも経営の実態なの
だ、とご理解を賜ればこの上ない喜びであります。どうぞ今日旅立
つこのマガジンを今後ともよろしくお願い致します。

遠畑剛(とおはたたけし)略歴
昭和36年生 39歳
大学卒業後某レコード会社入社
昭和60年実父逝去にともない、年商15億、店舗数15店舗、従
業員数70名の婦人服小売チェーンを継ぐ。平成12年同社の破産
まで16年間代表取締役として経営を行なう。
上記会社経営の間に、アパレル会社など2社の起業と清算廃業を経
験する。平成13年中小企業のお助けマンとなるべくアルファルフ
ァ・コンサルティングを開業。
資格 経済産業大臣認定 中小企業診断士 
   厚生労働大臣認定 初級産業カウンセラー

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テーマ 「私はこれで会社をダメにしましたー遠畑剛の失敗の理由」

ただ「経営のツボ」といっても漠然としているので、しばらくはい
くつかテーマを絞りそのテーマに沿った内容で執筆してみたい。は
じめは私と同じ過ちはしないでほしいという願いから「失敗の理由」
を書いていこうと思う。賢明な読者のみなさんにはあてはまらない
バカな失敗ばかりだと思うが、自分自身の反省も込めて書いていき
たいと思っている。

失敗の理由その1 
「ほんとうは違うことをしたかったと思っていたので失敗しまし
た」その1

将来なりたい職業というのをイメージしていたのは、私の場合小学
生の頃であった。母が病弱で入院を繰り返していたので自然と将来
は医者になりたいと感じ始めていた。それから中学時代、高校受験
の時には医者から弁護士になりたいと思いは変化していた。これは
弁護士を目指して結局結核に罹りその目的を達することができなか
った父の影響があると思う。そしていざ高校に入ると音楽系のクラ
ブに入り、大学でも同様のクラブに入ったので社会人になる頃には
さらに変化して音楽業界に入って仕事をしたいと決意していた。こ
んなふうに私の「なりたい職業」は浮き草のごとく節操なく変遷し
てはいたが、運良く某レコード会社に就職できたので、音楽業界で
身を立てようと思っていた矢先に、父が亡くなり長男ということで
家業を継ぐこととなった。父親が経営者であれば最初は他社でサラ
リーマン修行をしていづれ継ぐと心構えしていなかったのか、とお
叱りを受けるかもしれないが、これもよくある話で、父は「おまえ
みたいなアホは俺の会社に絶対入れない」といい、私も「小売なん
て右から左へ商品を動かして儲けるだけで冗談じゃない」といつも
喧嘩をしていたので父の跡を継ぐなんて微塵も思っていなかったの
だった。まあ、長男の宿命というか、結局は継ぐこととなりやりた
い仕事とはまったく違ってはいたが、継いだからには二代目として
当然どっぷりつかり寝食を忘れ事業にすべてを注ぎ込んでがんばっ
てきたつもりだった。そしてその時その時は一生懸命いろいろな経
営の命題に取り組んできたつもりだった。

しかし「つもりだった」と言ってしまうのは、今思えば無意識の中
にこの仕事は俺がやりたかった仕事じゃなかったんだ、といつも思
っていたように思う。それは最初は押さえ込むことができたけれど
も、だんだんとその思いが大きくなってきて、またとても困難なこ
とがあるとそこへ逃げ込んだりもして、結局は会社をダメにしてし
まったのではないか?と今は思う。ほんとに自分がやりたいことと
現実は仕事に精を出せば出すほど乖離が広がり、頑張れば頑張るほ
どドンドン自分を失っていくように感じ、本当の自分を取り戻した
い思いは日に日に強くなっていったように思う。このような告白は
前の会社の従業員のみなさんにとても失礼なことだと思う。でも、
今思えば一緒に働いてきていた従業員も社長である私のこの悩みを
薄々感じ取っていたように思う。現に会社が破産してからお会いし
た元従業員には「社長は婦人服の仕事に向いていなかったのですよ」
と言われてしまった。まったく経営者としてお恥ずかしい話である。
しかし、この悲劇(というのは多少傲慢ですが)はこれから急激に
増加するであろう多くの二代目にとって他人事ではないと思う。こ
れは今深刻な経営課題となっている事業継承という問題や創業経営
と二代目経営の違いという問題、さらには、二代目の自己実現とは
何か?などという大きくそして根深い問題に直結しているのである。

このような二代目の悩みを少しでもなくするのはどうしたらいいか、
創業経営と二代目経営はどう違うのか、二代目はどのようにして自
己実現したらいいのか、創刊号よりいきなり重いテーマとなってし
まったが、次号以降私なりの考えを述べていきたいと思う。


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誰にも聞けない「経営のツボ」 2001.3.16 創刊号
最後までお読みいただきありがとうございました
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